TOEICより大事?外資系が評価する“実務英語力”とは【体験談あり】

外資系企業へ転職

TOEICは高得点なのに、面接に落ちた…」

そんな声を外資系志望者からよく耳にします。
実は、外資系企業が重視しているのは、“TOEICスコア”ではなく“実務でつかえる英語力”。

 

MAO
MAO

実務で使える英語力は、TOEICスコアのように定量化が難しいですが、
プレゼンテーション、チャット、雑談、資料作成など、分類して考えられます。

本記事では、外資系営業として15年働いてきた筆者が、現場で通用する英語力とは何か、そしてどのように身につけるかを解説します。

TOEICだけでは評価されない?その理由とは

TOEICはあくまで「リーディング&リスニング」の指標

TOEICはビジネス英語力を測るテストとして広く知られていますが、
実際に点数として評価されるのは「読む」「聞く」能力のみ。

自分の考えを相手に伝えるために必要な、スピーキングやライティング力を直接評価するものではありません。

そのため、TOEICスコアだけでは実務で必要な「話す」「書く」の2つの能力は判断できません。

話せない・書けない人が高得点でも落ちる

面接では、TOEIC800点以上を持っていても、会話がぎこちない、あるいは要点を伝えられないと評価は下がります。

実際の仕事では、英語でのメール応対や会議発言、プレゼンが求められるため、アウトプット型のスキルが欠けていると不利になります。

エンジニアであれば、対話が得意でなくてもOKです。

・技術資料が読める
・相手の言っていること(要点・メッセージ)が理解できる

これらが可能であれば、ある程度は仕事を進めていくことが可能です。

実際の面接では「伝える力」が重視される

外資系企業では、「英語が話せる」だけでなく、「英語でビジネスの話ができるか」が見られます。

この違いは大きくて、以下が良い例です。

①アメリカやイギリスで生まれ育って、ネイティブに近い発音で英語が話せる日本人学生
②ジャパングリッシュで日本語発音だが、業界のビジネスに精通している日本人ビジネスマン

英語の表現力や発音では、①の方のほうが優れているかもしれませんが、実際に実務をこなしていけるのは②の方です。

語彙力は、後からつけていくことができます。
論理的に話を展開し、相手に納得感を持たせられるかどうかが評価のポイントとなります。


外資系企業が求める“実務英語力”とは

英語の表現力(トーン・論理構成・スピード)

丁寧でありつつも簡潔に、要点を論理的に伝える英文メールが書けるかどうか。

TOEICでは測れないこのスキルは、実務では日々求められます。

MAO
MAO

たとえばわたしの会社では、基本的にコミュニケションはチャット(スラック)かオンライン会議(グーグルミート)を使用しています。
アメリカにいる同僚と話すときは時差があるので、チャットの方がズムーズです。

チャット ・・ ポイントをまとめて、内容をわかりやすく伝える力が
オンライン会議 ・・ 相手の言っていることが理解できて、自分の考えを伝えられる

アウトプット量がチャットのほうが少ないため、オンライン会議よりも簡単に感じますが、
話す」とは異なる「書く」力が求められます。もう少しいうと、英語で「要点をまとめる」力。

どちらも実務では必須なので、バランスよくスキルを向上していくように務めましょう。

理解が苦手 理解が得意
表現が得意 💬 チャット向き(要点伝達が得意)短く要約し、自分の意見や情報を簡潔に伝えられるが、相手の意図の読み取りに苦戦することもある。 🎥 オンライン会議◎(双方向で活躍)相手の話を聞きながら、自分の意見をリアルタイムで発信・調整できる。議論の場に強い。
表現が苦手 ✍️ メール型(誤解リスク高)相手の意図も汲めず、自分の表現もうまく伝わらない。誤解・すれ違いが起きやすい。 👂 会議参加者型(理解重視)話の流れは理解できるが、自分の意見を言語化して発信するのが苦手。傍観になりやすい。

会議での発言力(質問・意見・要約)

英語での会議では、発言のタイミングや論点を押さえたコメント力が問われます。ただ理解するだけでなく、質問をしたり、意見を述べたり、全体を要約して伝える力が必要です。

MAO
MAO

傾向として、日本人は受け身で聞き手に回りすぎる傾向があり、傾聴力があります。
反して、アメリカ人や中国人は、意見を主張することが上手です。

英語の面接で自分の意見を相手に伝えるという角度からだと、アメリカ・中国のような表現方法から学ぶことはたくさんあります。しかし注意したいのは、相手目線に立って話すということ。

面接官が人事なのか、営業部長なのか、会社の役員なのかで相手の聞きたいことが変わります。
話し方は、①まず日本語で伝える内容をまとめる ②その後、①を英語にする

この順番を忘れないようにしましょう。

交渉・提案スキル(目的・根拠・結論を英語で)

営業職の場合、クライアントに対して英語でプレゼンや交渉を行うこともあります。

単に商品を紹介するだけでなく、目的→根拠→結論の順に整理された提案を英語で行えるかどうかがカギです。

この場合も、交渉する相手が誰かによって、資料作成〜話し方まで大きく変わります。

・相手は、自分が話す内容にたいして知見があるか
・販売代理店、またはエンドユーザーなのか
・商談の時間を設けてくれた、相手の目的は何なのか

抽象的な内容にするか、専門的な内容にするかは、日本語・英語問わず大切。
また、結論ベースで話すことで、相手に伝わりやすくなります。

 


実務英語力を鍛える3つの方法

1. シャドーイング+要約練習(例:シャドテン)

シャドーイングでリスニングと発音を強化し、内容を自分の言葉で英語で要約することで、アウトプット力を鍛えられます。

特に「シャドテン」などのフィードバック型アプリは効率的です。

2. 英文メール添削 or 自己添削ルーチン

毎日1通でも英語メールを書き、添削を受けることで英文ライティング力は確実に向上します。

自己添削の習慣をつけるだけでも、表現のクセや論理構成のズレに気づけるようになります。

MAO
MAO

コツは毎日続けること。1日では大きな差は見られませんが、チャットGPTなどAIを活用して添削してもらうと、自分の英語力が上がっていくことが確認できます。

3. 週1回の模擬会議 or 自己プレゼン練習

模擬会議や自分で資料を作ってプレゼンを練習することも効果的です。録音・録画しながら実践すれば、言い回しや流れの改善点が明確になります。


実体験|私が面接で問われた“実務英語”の力

英語でのロジカルな自己紹介と実績説明

「これまでどんな成果をあげてきましたか?」という質問には、具体的な数字とロジックを交えて英語で答える必要があります。日本語のような曖昧さは通じません。

自己紹介と説明は、まず日本語で実施できるか確認しましょう。
普段は対話しているため気づけませんが、1分という短い時間でも、自己紹介・会社説明を続けることは簡単ではありません。

・何を相手に伝えるか、明確にする
・伝えたい内容以外のことは、ダラダラと話さないようにする

伝えたい内容が頭のなかでまとまっていると、言葉は後からついてきます。絶対にこの単語を使わないといけないことはありません。

MAO
MAO

例えば、前職は貿易の仕事をしていたと説明するとします。「Trade = 貿易」という単語を使って、

・I was working for a trading company / I was in charge of trading stuff

としても良いですが、もし「Trade」という単語をど忘れしたら

・I was exporting and importing stuff / I was doing business with overseas

など、していたこと(過去の事実)は変わらないので、頭にあることを言い換えて相手に伝わればOKです。
その後しっかりと調べて、失敗から学んで自分の血肉としていきます。

ケーススタディや過去の課題解決経験のやりとり

「この製品の販売数が落ちている原因をどう分析しますか?」といったケース形式の質問では、問題解決力とともに、英語での説明力が問われました。

外資系企業での一つの評価軸として、問題をいくつ解決できたか?という点をチェックします。

MAO
MAO

商売の基本は他社貢献価値提供問題解決です。
面接官は、候補者が過去に勤めていた会社で生じていた問題を、どのように捉えて、どう自分の課題として設定したかの意識を確認しようとします。

「あなたがクライアントなら?」という逆質問対応

もしあなたが顧客の立場なら、何を提案されたいですか?」といった逆視点からの質問もあります。

即答できるように、視座を高く持つ準備が必要です。

どんな業界でも、営業マンとして評価される人材は、顧客に付加価値を提供している人たちです。
何を前提とするかで、答えが変わってきます。

視点 内容
現場の具体例
(顧客ニーズの違い)
IT業界では「運用負担の軽減」、製造業では「生産性向上」など、業界によって顧客が重視するポイントは異なります。
相手の立場に立ち、真のニーズを見抜く力が営業には求められます。
逆質問対策
(面接官の視点に立つ)
「もしあなたがクライアントなら?」という質問の意図は、共感力とビジネス視点の確認です。
業界や企業の情報をもとに仮説を立てて、提案を考える姿勢を見せることが大切です。

 


まとめ|TOEICは入口、実務英語はゴール

TOEICのスコアは、あくまで「英語学習の通行証」にすぎません。

実際の業務や面接では、伝える力・提案力・論理構成力といった“実務英語力”が問われます。

スコアを取得した後は、必ずアウトプット型の英語力を鍛え、「使える英語」を意識して準備しましょう。

MAO
MAO

自分の考えを相手に伝えられる英語力、それが外資系で評価される本当の英語力です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました