はじめに|外資系って、なんかカッコいいけど…
・外資系って、英語ペラペラで、スマートに働いて、高収入
・自由度が高そうな気がするけど、仕事って楽しいのかな

そんなイメージを持つ方も多いと思います。
実際、わたしもそうでした。
入社して働いているうちに気づきますが、外資系も日系も良い面と悪い面があります。
どちらの働き方のほうが自分に向いているか知ることで、充実した働き方を実現できます。
本記事では、15年間にわたり外資系営業として働いてきた筆者が、リアルな仕事内容・文化の違い・年収まで、包み隠さずお伝えします。
1. 外資系営業職の仕事内容とは?
ざっくり言うと、「数字で語れるビジネスマン」です。
✅️プロセスよりも結果
✅️努力よりも数字

そんな空気が常にあります。
フレックス、ドレスコードなし、リモートワークといった働きやすい環境を作ろうとしている背景には、社員のパフォーマンスを最大限に高める工夫をすることで、企業の利益を最大化するとう意図があります。
▼日常業務はこんな感じ
- 顧客対応(メール・電話・商談)
- 見積もり・資料作成(基本社内資料は英語、お客さんへ提出する資料は日本語)
- 社内ミーティング(Slack / Google Meet)
- 出張(国内または海外)
- 売上レポートの提出(週次/月次)
紙文化や印鑑文化とは無縁です。クラウドベースでスピーディーに仕事を回します。
出張に行く目的は案件によって異なりますが、以下はよくある出張例です
2.新製品の提案
3.展示会出展

展示会は、準備を含めると3日〜5日程度必要となります。
短いスパンで出張を入れすぎると、他の仕事が増えて処理できなくなってくるので、出張に行く週と行かない週のバランスを意識しています。
2. 日系と外資系の違いは?【わたしが感じたこと】
外資系企業とは、外国に本社があって、日本に法人を設立している会社のことを言います。
(厳密にいうと、本国の本社の株式保有率が51%以上必要など、細かな定義はありますが)
欧米だと、スターバックスジャパンや日本マクドナルド、スウェーデンのIKEAなどが外資系企業となります。アジアだと、サムスン電子やヒュンダイ、台湾のTSMCなどです。

欧米とアジアでは商慣習が違うため、外資系企業と一色にまとめることが難しいため、以下ではアメリカ系外資系企業の例を紹介します。
日系企業と外資の違いについては以下の通り。
項目 | 日系企業 | 外資系企業 |
---|---|---|
上司との距離感 | 上下関係が強い | かなりフラット |
評価基準 | 年功+努力+姿勢 | 数字+成果 |
仕事の進め方 | 根回し・合意形成 | 決断は速い&自己責任 |
会議の雰囲気 | 長い&全員発言 | 短くて結論ベース |
社内の空気 | 仲良し重視 | ドライだけど合理的 |

順番に説明していきます。
上司との距離感
日系でも外資でも、上司の指示にしたがって仕事を進めていく点は同じです。
しかし外資系には、上下関係がほとんどありません。年齢や在籍期間などは関係なく、上司もよく変わります。(わたしはアメリカ企業にいた5年間で、5人の上司と仕事しました)
また横の関係性も、自分で構築していきます。必要部署とのコミュニケションは、誰と何について話すか、自分でアジェンダを組み立てます。

よく言うと自由度が高くいため、極度に干渉されることはありません。
逆に言うと、野放し状態です。
評価基準
日系企業では、会社にフィットするか、勤務態度が真面目であるか、努力しているかなど、KPIでは図りづらい項目を重視する傾向があります。
外資系企業(とくに営業)は、数字での評価が前提となります。
- 売上、利益予算を達成できているか
- いくつのプロジェクトを完成できたか、どのステージまで進められたか
- 新規顧客を何社開拓できたか
定量化ができる項目は、すべて定量化して報告します。
数字以外の評価項目だと、たとえば社内にどれだけ良い影響を与えているか、問題をどの程度解決できたかなど。
決断が速い
決断が速いのも、外資系企業の特徴です。
わたしが今いる会社は、米国シリコンバレーに本社があるIT企業。
準備に時間を使いすぎず、基本的にはやりながら進めていくスタンス。コミュニケションもチャットベースのため、普段の会話が議事録になります。

日本人は場の空気を大切にします。上司や同僚の機嫌を取ろうとしすぎて、本音ベースでコミュニケションしていないことが、判断の遅さの一因になっている気がします。
外資系企業も同じですが、それ以上に目標達成主義のため、決断が速いです。
思っていないことは安易に発言しない、自分の発言・行動に責任を持つ必要があります。
会議の雰囲気
外資系では、会議はほとんどありません。
実施しても、無駄に話さずに、要点が伝え終われば早めに終わります。

外資系では、Sync Up(シンクアップ)という単語をよく使います。
お互いの認識を合わせるというニュアンス、これを部内では常に実施しているため、考えの相違が起きにくく、あえて会議に時間を使う必要がありません。
これは自分の意見もありますが、長い会議を実施しても、みんな自分の仕事を個人的に進めてしまいます。(電話に出る、メールをチェックする、チャットを返すなど)
共有する内容が多ければそれで良いですが、基本的には要点をまとめた短い時間の会議のほうが、全体にとって良いと思います。
3. 外資系営業の年収ってどのくらい?
以下は、筆者と周囲の実例から導いた目安です。
経験年数 | 年収レンジ | 備考 |
---|---|---|
初級(〜3年) | 400〜600万円 | TOEIC700以上が多い |
中堅(3〜10年) | 600〜900万円 | プレイヤーとして自立 |
シニア(10年〜) | 900万〜1200万円以上 | インセンティブで変動あり |
中堅以上のポジションだと、年収1000万円以上の報酬がベースとなってきます。
日系の同じ仕事と比べると、平均報酬は30〜70%ほど高くなります。

たとえば、日系企業のコンサルティング会社で働いていた日本人の方が、年収500万円だったとします。外資系のコンサルティング会社へ転職すると、650〜900万円ほどになります。
💡 インセンティブ(成果報酬)が大きいため、同じ役職でも大きく年収が変わります。
4. 外資に向いている人・向いていない人
✅ 向いている人
- 主体的に動ける
- 論理的に考え、話せる
- 結果にコミットできる
❌ 向いていない人
- 指示がないと動けない
- 空気を読むのが得意
- 頑張りを評価してほしい

英語力がネイティブレベルである必要は全くありません。
必要なのは「考えられる」「主体的に動ける」「結果を出せる」この3つです。
5. 現場で働くリアルな1日の流れ【わたしの場合】
8:30 出社 or 在宅開始(メール・Slack確認) 9:30 定例社内ミーティング(英語) 10:30 顧客対応(資料作成・電話・プレゼン準備) 12:00 ランチ(在宅ならカフェで気分転換) 13:00 オンライン商談(Google Meet) 15:00 売上入力・レポート提出(Salesforce) 17:30 出張準備・移動 18:30 退勤 or 会食
💡 アメリカ本社とやりとりがある場合は、7時頃にミーティングを実施することもあります(時差対応)
6. 外資に入ってよかったこと・しんどかったこと
🎯 よかったこと
- 実力で評価される(年齢不問)
- スピード感がある(即決即行)
- 英語力が自然と上がる
- 出張で視野が広がる
- 裁量権がある
🌀 正直しんどかったこと
- 成果が出ないと評価ゼロ
- 相談しても「で、どうしたいの?」と返される
- 社内の人がすぐ辞める(流動性が高い)
- マニュアルが少ない
- 商慣習が大きく異なる
まとめ|「英語が話せる」より「結果が出せる」がすべて
外資系営業職は、華やかに見えて、実は地道な実力勝負の世界です。
英語力よりも、
- 論理的に話せるか
- 結果を出せるか
- 変化に強いか
この3つが外資系で生き抜く鍵です。
「なんとなく外資系に惹かれる」「ちょっと自分を変えたい」
そう思った時が、変化のサインかもしれません。
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